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関西及び鳥取、北海道からの風
2015年 この夏登った百名山 =其の3= |
投稿者:松本康裕(S56年卒 管理人)
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今年の5月〜8月にかけて、登った百名山をフォトアルバム的にまとめてみました^^
各山ごとに、標高データ等と併せて記載しています。
どうぞご覧ください!
2015年 この夏登った百名山=其の1= は、こちら
2015年 この夏登った百名山=其の2= は、こちら
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【稲村ヶ岳@(大峰山)】
登頂日 ;平成27年8月2日
同行者 :なし(単独行)
標 高 :稲村ヶ岳(1726m)、大日山(1689m)
天 候 :曇り時々少し晴れ、一時雨
8月になって、利尻山登山前のトレーニングはこの日が最後(?)と思いながら、選んだ山は大峰山系稲村ヶ岳。
山上ヶ岳が女人禁制の山のため、女性の信者は稲村ヶ岳に連なる大日山の祠にお参りに・・ということで、別名女人大峯と呼ばれる稲村ヶ岳に登って
見ることにしました。
天川村に入り、山上ヶ岳と同じく川合から洞川温泉に向かい、温泉旅館の街並みを抜けると母公堂というお堂があります。
役行者の母親が役行者に会いに来て、このあたりの谷を越えようとした時大蛇に行く手を遮られ、何度試みても前に進むことができず、困り果てていた
ところ、その話を聞いた役行者が、このままだと母は危険を冒してまで、私に会うために山の中へ入ってこようとするだろう。それならば、そんな無理をさ
せないようにこの場所に庵を立てて母を住ませ、ときどき私が母に会いに来ればいいと、立てた庵がこの母公堂になったと言われています。
また、もしも、また同じように無理をして山へ入ろうとして怪我でもされたら大変だと、女人入山禁止の結界門を作ったのが女人結界の始まりだとも言われ
ています。山上ヶ岳の女人禁制は女人差別から生まれたのではなく、母を思う優しい想いで生まれた制度ということなのです。
本当は、この母公堂の駐車場に車を停めたかったのですが、10台前後しか停められない駐車場は既に満車。
そこで、山上ヶ岳の時と同じく清浄大橋そばの大橋茶屋の駐車場に車を停め、20分ほど歩いて戻り、母公堂そばの取り付きから、いよいよ登山開始です。
とりあえずの目標は大日山山頂へ午後1時。
五代鍾乳洞からくる登山道と合流するまでは急登で、一気に高さを上げていきます。
そして、多少傾斜が緩やかになった登山道を小一時間ほど歩くと法力峠に着きました。この間、60代のご婦人がたの集団何組かとすれ違いました。
山上ヶ岳の時と同様に、お互い「ようお参り!」と声を掛け合います。
法力峠に着くと、お孫さん連れのご婦人が休憩を終えて歩き始めるところでした。ご婦人がたと入れ代わりに、ここで一旦休憩して息を整え、今度は稜線
沿いに山上辻そばの稲村小屋を目指します。
右手から吹き上げてくる風が心地よく、8月と思えないような快適な山登りです。
途中、鉄の橋や階段があるものの比較的緩やかに徐々に徐々に高さを上げて歩いて行くと、右手に尖がった山が見え始めてきました。
今日の目的地の一つ、大日山です。もうひと踏ん張りで稲村小屋に着くはずです。
いくつ目かの鉄の橋を渡るとき、法力峠で先に出発されたご婦人がたが休憩されていました。
小学生低学年くらいのお孫さんと60代後半のご婦人とそのご姉妹らしきご婦人の三人連れ。この組み合わせから想像できる歩行ペースに比べると、随分
先の地点でやっと追い付いたということで、かなりの健脚とお見受けしました。
ご婦人がたをスルーして、しばらく行くと数年前に崩落したとみられる鉄の橋を渡り、もうひと踏ん張り歩くと山上辻・稲村小屋に着きました。
小屋前のベンチでは数組のパーティーが昼食をとっていましたが、ここは小休止で済ませて、そのまま稲村ヶ岳を目指します。
気持ち良い笹原のトラバースを抜けて、急な階段や山道が頻繁に出てくるようになりました。
20分ほど歩くと少し平らな分岐点があらわれてきました。正面へ進むと稲村ヶ岳、右手に曲がると大日山です。
とりあえずは、稲村ヶ岳を目指します。
ここからは、15分ほどひたすら急登。息がかなり上がってきたなあって思った頃に稲村ヶ岳の山頂展望台が目に入ってきました。
全体的に霞んだ感じで絶景とまでは言えませんが、それなり展望がききます。
展望台下で休憩されていた60代前半のご夫婦も展望台に上がってこられました。
地形図を開いて整地して、山上ヶ岳や大普賢岳、七曜岳などを探します。
「あれが山上ヶ岳や!」ご主人が奥さんに説明していました。(うんうん、あれが山上ヶ岳に間違いない!)
「あれ?大普賢岳は・・・確かこっちの方角に・・・」(え?その方角全然違うやろ?)
ご主人の手には、地図とコンパスが・・・でも、コンパスは持っているだけ・・・それでも山上ヶ岳わかるなら、大普賢もわかるはずやけど・・・
相変わらず、全然違う方向を見て首をかしげています。
「あのう・・・大普賢岳は、あれやと思いますよ」と声をかけると、ご主人・・・
「う〜ん・・・いや、あれは阿弥陀ヶ森や・・・そうそう、あれやあれ!あのギリギリに見えているのが大普賢岳!兄ちゃん、地図の見方、勉強せなあかん!」
(いや・・・あれは「行者還岳(ぎょうじゃかえりだけ)」 地形図でもGPSでも確認済みなんですけど・・・)と心の中で訴えながらも、まあいっかととっとと退散。
さっきの分岐まで戻って、今度はザックを分岐点にデポして大日山を目指します。
鎖や少し不安定なアルミの梯子。階段・・・一気に高度をあげて行きますが、ザックを下してカラ身になっているので、全然しんどくありません。
一気に山頂に着くことができました。時間は丁度午後1時。予定通りの時間で大日山山頂到着です。
※写真はクリックすると別窓で大きくなってご覧になれます。
今日は清浄大橋そばの大橋茶屋に駐車。
母公堂まで20分ほど歩いて戻ります。
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稲村ヶ岳へ登る法力峠経由のルートは
ここのそばから取り付きます。
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法力峠を過ぎてしばらく歩くと大日山が
見えてきました。まだ、かなり向こう側です。
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山上辻・稲村小屋を過ぎると気持ちの良い
笹原のトラバースがあります。
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稲村ヶ岳山頂
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稲村ヶ岳山頂展望台
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稲村ヶ岳三角点
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山上ヶ岳方面
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大普賢岳方面
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大日山山頂
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【稲村ヶ岳A(大峰山)】
登頂日 ;平成27年8月15日
同行者 :北濱裕子さん(29期)、田邉穣子さん(29期)、荒牧浩さん(33期)
標 高 :稲村ヶ岳(1726m)、大日山(1689m)
天 候 :晴れ時々曇り
「松本〜っ!お盆の最中にトレーニングできる山行き企画しろ〜っ!」
某K濱さんから、そんなメールが届いたのは8月の初旬のことでした。(ん?そんな荒っぽい文章ではなかった?・・・いや、一応、お約束ってことで・・・って、なんの約束や・・・汗)
とりあえず、メンバー決めてから行き先決めようってことで、数名の方へ速攻でメール。
一部の方は、帰省やら他の予定が入っていましたが、調整可能な上記同行者が決定し、それから行き先の選定です。
兎に角、この夏は暑い日が多い・・・ってことは、できるだけ快適に登れる沢沿いや風の良く通る稜線のある登山道があるところはで、ヤマビルのいないようなところはどこか・・・?
そっか!先日登ったばかりやけど、稲村ヶ岳を逆ルートで歩くと、この条件にピタリと当てはまる!!!
しかも、大峰山系は、関西圏ではどこから来てもアクセスが悪く、今回、参加予定のメンバーもなかなか行く機会がないはず!
しかも、山上ヶ岳は女人禁制だから無理だけど、稲村は女人大峯と呼ばれるくらいだから、今回の目的地に持って来いの山!
ってことで、翌日?には行き先も決定しました。
当日、みんなが一番集まりやすいJR茨木に朝7時に集合し、近畿道から南阪奈道、国道24号線から国道309号線経由で洞川温泉方面へと車を走らせました。
おや?なんか途中、車が渋滞してる?
お盆ということもあったのでしょうか?普段、すんなり流れるところで、渋滞に巻き込まれ、当初の予定より25分遅れで登山口に到着。
今回の駐車地は、いつもの清浄大橋横の大橋茶屋駐車場ではなく、母公堂前の10台ほど停められる駐車スペースに運良く停めることができました。
母公堂まえでそそくさと準備をして、さあ登山開始。
まずは、母公堂前の舗装された林道を清浄大橋前、そして、そのまま林道終点までひたすら単調に歩いていきます。
・・・て、このメンバーでただ単調に歩いていくはずはありません。
途中で清浄大橋奥の女人結界門を見物し、道中ではあれやこれやと話は弾んで、一人だと単調過ぎて退屈な林道歩きも退屈することもなく予定道理40分ほどで辿り着くことができました。
しかし、ここから本格的な山登りの始まりです。
登りであるくレンゲ谷は、コブシ大から大きめのスイカぐらいの岩がゴロゴロするガレ場の続く沢沿いの登山道です。
足場が悪いので、下りではかなり慎重に歩く必要がある谷道ですが、登りではまだ普通に歩くことができます。また、沢沿いの樹林帯の中の登山道の為、結構涼しく快適、快適!
とはいうものの、大峰山系の山は相対的に稜線に出るまで急登続きで、一気に高度を上げていく山が多いのですが、このレンゲ谷も例外ではなく、ガレ場の急登と滑りやすい木の階段の連続で、汗が一気にふき出してきました。
沢の水に手をつけたり、樹林帯の中に咲く小さな花を見つけたりしながら、約2時間。
山上ヶ岳から稲村小屋へと続く稜線のレンゲ辻に辿り着きました。
前回の稲村行き(↑)でも紹介していますが、このレンゲ辻にも女人結界門があります。
山上ヶ岳へ続く4つの登山道、それぞれに女人結界門があり、それによって大峯山寺を中心とする山上ヶ岳の女人禁制は守られています。
折角なので、女人結界門の前で記念写真を撮り、小休止。
「ぎゃ〜〜〜〜〜っ!」
どこからか悲鳴が聞こえてきます。
事故?滑落?
いえ違います。
山上ヶ岳の表の行場「西の覗」で岩の上で吊るされて親孝行などの誓いを立てる捨て身の行が行われていて、おそらくそれを体験した一般の登山者があげた悲鳴でしょう。(修験者ではなくても、一般の登山者も、行うことができます)
カメラの望遠で西の覗きをのぞいてみると、西の覗き岩の上に2,3人の人影が確認できました。
ふと時計を見ると時刻はお昼前。お腹もすいてきました。
この日の昼食は、稲村小屋前の予定です。
小休止というには長めの休憩を終えて、4人は一路稲村小屋に向けて歩きだしました。
レンゲ辻から稲村小屋のある山上辻までは比較的緩やかなアップダウンが続きます。
とはいうものの、尾根の横の登山道の横が深く切り立っている場所や、斜めになった橋など、雨の降った後などは慎重に歩く必要のある場所も数か所ありました。
やがて、登山道が笹原に囲まれるようになると、少しの時間で山上ヶ辻に辿り着くことができました。
さあ、待ちに待った昼食タイムです。
稲村小屋へへ駆け込むと、小屋のおやじさんに缶ビールを出してもらい、小屋のそばのベンチでカンパ〜イ!
ビールと一緒におにぎりやカップ麺などを腹に流し込み、ようやく少し落ち着いてきました。
この日は、ここで食事していた登山者は10名くらい。
お盆だから、どうなのかなって思っていましたが、登山者の数は普段の土日とあまり変わらないみたいでした。
さあ、お腹もふくれたことだし、いよいよ今日の目的地、稲村ヶ岳山頂を目指します。
西側の展望が開けた笹の小道に進み、しばらく階段等を登ると稲村ヶ岳と大日山のルートの分岐があるキレットに出ることができます。
稲村小屋からおよそ20分。
まずは、稲村ヶ岳へと分岐を直進していきます。
ところが・・・昼のビールの影響か足が前に進みません。
息があがって呼吸がどんどん荒くなっていきます・・・が、みんなの手前、そんなことを口にすることもできません。
しかも、先頭を歩く北濱さんの早いこと早いこと!!!
必死で付いて行ったおかげで、予定の所要時間で山頂展望台に辿り着きました。
ここからは、ほぼ360度の展望が望めます。
北東の山上ヶ岳、徐々に東から東南へと阿弥陀ヶ森、大普賢岳、国見岳、七曜岳、行者還岳
南に弥山、西へ遠くに金剛山と葛城山
少し曇っていましたが、なんとかよい景色を見ることができました。
それにしても、ここに来るまでの北濱さんの速さときたら・・・。
後で聞いた話では、しんどくて、少しでも早くしんどいところを終わらせたくて急いで歩いていたとのこと。
やっぱり、しんどかったんやと一安心(笑)
一通りの展望を楽しんだ後は、さっきのキレットまで戻って大日山です。
分岐のところへ、ザックはデポしてカラ身で登ります。
途中、前回来た時に見つけた絶頂&絶叫スポットを3人に教えると、それぞれそこへ登って切り立った崖の様子を楽しんでくれました。
(畳1畳ほどのスペースで、三方が切り立った崖。分岐のキレットを真上から覗きこめるスリル満点のポイントです)
ものの10分ほどで大日岳山頂に到着。
祠にお参りして、再び稲村小屋に戻ります。
ここからは、前回一人で来た時登りのルートとして歩いてきた法力峠経由、母公堂へのルートを歩きます。
西の谷から吹き上げてくる風が心地よく、多少距離はありますがゆったりと下っていく整備されたゆるやかなルートです。
かなり体力を消耗したはずなんですが、賑やかさはスタートしたころと変わりません。
途中で、通称マンモスの木を見たりしながら、約2時間の道のりもあっという間。
日没前に、無事にスタート地点の母公堂に戻ることができました。
母公堂では、堂守さんにコーヒーとお菓子で接待していただき、気分良く帰りの車に乗り込んだのです・・・・が、
ここから先が長かった!!!
盆休み終盤ということで車が多くて、通常なら2時間前後で大阪まで戻れるところが、ナビと喧嘩しながら3時間。
まあ、それでも、その後、いつものように美味しいお酒も飲めたことだし、終わりよければすべてよしということかな?(笑)
ムードメーカーの北濱姫。初代格さんの荒牧と助さんの私。(ちなみに元祖格さんは、31期の加来さん・・・笑)
花のことならお任せあれの田邉お嬢。
なかなか楽しい充実した一日を、一緒に過ごさせていただきました。
※写真はクリックすると別窓で大きくなってご覧になれます。
本日のスタート地点は母公堂から
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清浄大橋奥の女人結界門
北濱さんと田邉さんはここから奥へは入れません |
林道終点
ここから本格的に登り詰めていきます |
沢の水がきれいです
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冷たくて気持ちいい!
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レンゲ谷の大半がガレ場
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レンゲ辻の女人結界門
あれ?田邉さん、右足が・・・(笑)
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絶叫はここから聞こえてきました
人がいるのがわかります?
(クリックして拡大すればわかります) |
ごく普通の登山道?
でも右側は深い崖です
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本日の目的地
稲村ヶ岳(左)と大日山(右)
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はるか遠くに金剛山と葛城山が
うっすらと見えてます
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稲村小屋(山上辻)に着きました
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稲村ヶ岳山頂(1726m)
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山上ヶ岳方面
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阿弥陀ヶ森、大普賢岳、国見岳
七曜岳方面
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弥山、バリゴヤの頭 方面
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大日山への登山道 |
大日山山頂(1689m) |
法力峠への登山道
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マンモスの木
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咲いていた花
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咲いていた花
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咲いていた花
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咲いていた花?
いや、これは花ではないよね(汗)
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下山後、母公堂にて(堂守さん撮影) |
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2015年 この夏登った百名山 =其の4(最終章)=へ続く |
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